歴史学の〈危機〉
著者 ジェラール・ノワリエル
歴史学の〈危機〉本ダウンロード - この本を見つけたり読んだりすることにした場合は、以下に参考のために歴史学の〈危機〉の詳細に関する情報を示します。 素晴らしいナレーションで。 歴史学の〈危機〉は今年人気のある本の1つです。 これには328ページページが含まれており、単行本形式で利用できます。 この本は、その4.3の評価と、約1のユーザーレビューを得て、非常に驚きました。 ですから、この本を読み終えた後は、読者にこの素晴らしい本を過小評価しないことをお勧めします。 歴史学の〈危機〉 をリーディングリストとして使用する必要があります。そうしないと、人生でまだ読んでいないので残念です。 これは、この書籍を市場または別の書籍販売者で検索するために使用できる書籍の識別子です。isbn:4833222507、ean:4833222507またはasin:asin。
本のタイトル : 歴史学の〈危機〉
平均的な顧客フィードバック : 4.3 5つ星のうち 1 カスタマーレビュー
ファイル名 : 歴史学の-危機.pdf
ファイルサイズ : 19.13 MB
以下は 歴史学の〈危機〉 の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
平均的な顧客フィードバック : 4.3 5つ星のうち 1 カスタマーレビュー
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ジャンルとしては史学史ですが、通常の史学史と若干異なり、19世紀末における近代フランス歴史学のディシプリン誕生から1993年に至る史学方法論に関する論争を、知識社会学的アプローチで分析した書籍です。通常の近代史学史ですと、19世紀末に実証主義歴史学が誕生し、その後フランスで成立した社会学と歴史学とのつばぜり合いが激化、やがて社会学の方法を摂取したアナール学派が誕生・・・というように展開し、主要学者の主要業績などが年代順で紹介される・・・という内容となるかと思います。本書はそうした一般的な史学史本と異なり、読者が基本的なフランス史学史知識を持っていることが前提の書籍です。歴代の主要業績がどのような体制のもとに誕生したのか、人材育成や業績に体制が与えた影響、世代交代と方法論のパラダイムの関係を、世代や周辺人材と中央人材の抗争という観点で社会学的な分析を行った書籍です。歴史学界の裏話を物語風に描いたというような書籍ではまったくなく、表面的な史学方法論の変遷でもなく、近代フランス史学史とその論争を社会学的に分析した書籍です。史学方法論変遷の背景にある社会学的な背景を分析しています。p287の注釈(87)に記載があるように、著者は社会学者ピエール・ブルデューの方法論を取り入れています(「賭け金」「収支決算」というブルデュー独特な用語が頻出し若干気障りだったりします)。日本語版への少々長い序文が本書全体のサマリー的な内容となっています。第一章が戦後から現在の展開の簡介で、書名の「危機」について記載されます。第二章では19世紀初頭に遡りドイツ歴史学界や哲学界、誕生間もない社会学界等との関連、世紀末における「科学/社会学」との論争(独ランプレヒト論争/仏シミアン・セニョボス論争)からマルク・ブロックまで、第三章で認識論派歴史家(レイモン・アロン、アンリ・イレーネ・マルー、ポール・ヴェーヌ)による批判的歴史哲学の導入、第四章前半で主に米国における言語論的転回の勃興と展開、後半で言語論的転回がフランスに飛び火し、1989年、遂にアナール誌が「批判論的転回」の特集のもと、アナール派誕生以来の方法論の修正を宣言するに至る、という内容が扱われています。第五章では危機の状況を受けた著者の提言がなされます。章題の「知、記憶、権力」とは歴史学者の仕事の三要素のことで、知は研究そのもの、記憶とは一般公衆へのフィードバック、権力とは体制の話です。著者はおおむねマルク・ブロックの考える歴史学を本書が出版された危機の時代にあっても有用な指針としていますが、ブロックは歴史学の体制(権力)の問題にはまったく沈黙していたとし、歴史家と権力という内容でマックス・ウェーバーを導入し、最後はプラグマティズムとハーバーマスに辿り着いています。第二部では、各論が四本掲載されており、うち三つは19世紀末から1930年までのトピックです。以下目次です(第二部目次頁の後は要約です)。日本語版のための序文(3)はしがき(19)第一部なしうることと語りうること(25)第一章懐疑の時代(25)第二章ある科学的学問分野の形成(53)第三章著者の復活(86)第四章「パラダイム」の危機(110)第五章知、記憶、権力:歴史学についての「プラグマティズム的」省察によせて(148)第二部実践の明確化によせて:フランスにおける歴史かについての四つの研究(179)(フランス近代歴史学誕生の知識社会学的研究)第六章歴史家の仕事の誕生(179)(フランス1880‐1930年の職業歴史家育成体制の構築の研究)第七章同僚の判断:世紀転換期の博士論文口頭試問(199)(フランス19世紀末から20世紀初頭の研究者選抜過程の研究))第八章「アナール学派」、「非順応主義」、そして永遠の青春という神話(216)(リュシアン・フェーヴルの出世と権力と自己イメージの構築)第九章『歴史の宇宙』:パラテクストを通じてみたある歴史学叢書(1970年~1993年)(236)(『歴史の宇宙』叢書にみる出版と歴史学界の関係)結論(262)訳者解説およびあとがき(305)索引(323)第一部の前半、及び第二部の最初の三本は、19世紀末から20世紀初頭を扱っていて、近代フランスの歴史学と歴史家―クリオとナショナリズム-MINERVA西洋史ライブラリー-』(渡辺和行著(2009年))の方が詳細なのではないかと思いますが、本書でも端的に扱われていて有用です。第一部中盤の、認識論的歴史家(ウェーバー解釈学をフランス歴史学に導入しようとした)や言語論的転回の背景にある党派的な争い等の分析は本書ならではのところかもしれません。本書は近代フランス経済史がご専門の訳者の小田中直樹氏が、この後歴史学方法論著作を継続的に著す2作目の著作(翻訳)です。小田中氏の2004年の新書『歴史ってなんだ?』にひとまず結実する方法論観のアウトラインの半分くらいは、本書にあるように思えました。1993年以降のその後のアナール派の展開については、2016年に出た小田中氏の『歴史学の最前線-〈批判的転回〉後のアナール学派とフランス歴史学-』につながるようです。史学史本として現在でも有用な書籍です。著者は注釈含め四か所で、歴史学における認識論の議論は2500年前から続く論争(実在論VS唯名論のこと)であり、いくら論じても結論は出ない、と繰り返しています(近代歴史学に入ってからもこの論争は3回くらい繰り返されている)。言語論的転回にまつわる論争について、「もう飽き飽きした」「いい加減にしてもらいたい」とこぼす歴史学者が散見されるのは、こうした背景を認識しているからだと思われます(残念ながらわかっていなくてこぼしているように見受けられる方も一部にいるように思えます)。しかしながら、基本的には少し違う点があるからこそ繰り返されているわけです。この点について本書の著者は記載していませんが、訳者の小田中氏は、その後の著作で、相違点についてもそれなりに意味はあるのだと論じており、本書を読むにはこの点を踏まえて読まれることをお奨めいたします。本書で活用された、ブルデュー流の知識社会学は、20世紀に日本に上陸した頃は、日本はまだ比較的一億総中流社会であったため、日本でのブルデュー理解は哲学界隈に留まったようで、ノワリエルが本書で活用したような、歴史学界の社会学的分析は、日本では浸透しませんでした。しかし21世紀に入り、日本の格差化が進んだ結果、ブルデュー社会学は、今まさに社会学として浸透しつつあるようです。日本の歴史学を社会学的に分析されることは、歴史学者としてはあまり面白くはないのかもしれませんが、「歴史の構造(世界史の構造)」を知るためには、歴史学の構造を知ることは絶対に必要ですし、日本でも、日本の歴史学に関して少しづつ本書のような書籍や論述が登場してきているように思えます。史学史を知識社会学的に扱うという観点でも、本書は現在でも有用性の高い書籍だと考える次第です。
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